35mmは「記録」50mmは「愛」
最近テストしているものが、35mmの所謂広角側のレンズと写ルンですのレンズ。今回は35mmの話。
僕が最も得意とする距離は50mmのレンズ(85mmも)です。標準的なレンズと言われて僕の90%の写真はこのレンズになります。50mmは適度に周辺がボケ、被写体分離がしやすく、被写体さんの顔が変化しにくい距離になります。35mmは周辺はボケにくく、被写体分離はしにくく、寄ると被写体さんの顔が引き伸ばされる距離のレンズです。
では、35mmのレンズってメリットないの?というとポートレートにおいては、臨場感が得られやすい、ボケないので場所の特性が生きやすい、狭い空間で撮れるなどなど多くのメリットがあります。でも所謂パッとしない写真になりがちな距離です。それもそのはずで、昔からあるコンパクトデジカメやスマートフォンなどは、このレンズの距離感に近いものです。要するに見慣れてるかつ、言い方悪いと「素人の撮った写真」に見えやすいんです。
それは、ボケが少ないことも直結してますが、そもそもの難易度が高い距離だと僕は思っています。それは背景整理です。もっと深掘りすると色々あるのでしょうが、僕個人として「いらない色が画面に入ってくる」という一番のネックがあり風景写真ではいいですが、ポートレートだとめちゃくちゃ苦手な距離です。要らない色というのは、そもそも画角が広くなるので想定している場所より多く切り取られます。「被写体さんはこのサイズ感がいい」けど、そのサイズ感にしようとすると余計な要素が入ってくるそんなことがしょっちゅうあります。
まぁこれも僕が35mmに適性がなくスキルもないから出てくる弱音なんですが、昔もトライして懲りたのに再トライしているわけです。
そもそも何で、50mmをやめて35mmにトライしているかというと、35mmはボケない・見たまま映る、その性質上「記録」に近いです。旅行写真的なイメージです。では50mm以降のレンズはどうなのかというと「好き」と表現されるものになります。自分が「愛」を持って撮る、スポット当てて撮る、注視して撮る。そんな距離だと揶揄されることがあります。
僕の撮影スタイルはまさに「好き」を撮るものでした。でも、いつまでも好きを表現してるわけにはいかない状況にもなり、「記録」に昇華して一皮向けようと考えての行動でしたが、見事に失敗している。むしろ僕に全然合わない。予想はしてました。そもそも僕の色味や質感は50mm以降を想定した編集です。広角側の編集ではないと思っています。
さぁここでどうするかなんですが、「35mmを一生修行して、スタイルを変える」か「50mm以降を突き詰める」どちらもありだと思っています。すぐに結果が出るのは後者でしょう。でも正直僕自身も好きなものを捨ててまでやる意味はあるのかと思っているところです。
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