デジタルとフィルム、動画と写真

仕事ではなく、カメラを趣味として使い出してからは、ずっとフィルム風な写真が好きだ。僕が好きな写真はいつも理屈っぽい。そして言語化しにくい。限りなく言語化するとすれば「デジタルの描写で、フィルムの質感と色味」となる。ただ、実際は相反するものがあり、いつ理想に届くのかは謎だ。

写真は試行錯誤、ちょっと前の雰囲気が好きになって、また今のものが好きになって、みたいなことを繰り返している。

例えば以下。

僕の中では左がデジタルな編集で、右が「デジタルの描写で、フィルムの質感と色味」となる。デジタルでは、肌色をピンク色にすることが美しい肌色だと定義しているし、フィルム風の方は、綺麗になりすぎないけど絶妙な肌色と定義している。また両方に言えることがシャドウ部分(髪の暗い部分など)は青色になるように設計している。

(細かい話なので、今まで割愛していたが、僕らカメラマンがどういう原理と考え方で写真を編集しているかというと、写真の全体の色味はもちろんですが、肌や髪の諧調をハイライト・ミドルトーン・シャドウと大きく3つに分けて、それをさらに細分化して細かく細かく調整してます。例えば左の写真は、髪の全体が青にしすぎると今度は肌色にまで青が乗ってくるので、そのギリギリのラインを狙って編集したり、肌色のピンクに関しては本来無い色味なので既存の色に足すという作業をしています。)

数年試行錯誤して、この2つが僕の中での最適解として今は定着している。どちらも正直あまり他の人がやっている現像ではないのとフィルム風に関しては、かなり独特なことを行なっているので、他の人が同じことをしているのは見たことがない。デジタルに関しても基本的には肌は、オレンジとイエローで構成されている要素なので、ピンクにするという発想自体あまりない人もいるのでは。

で、どっちが好きなの?という話だが、めちゃくちゃ浮気性の自分は表と裏のようにうろうろうろうろしている。最近では、動画も撮りたいと思って(正直ジンバルは使ってないのに増えていってたりしてる時期があった)色々また試行錯誤の時間が始まるんだろうと震えている。